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ドメインバックオーダーで失効ドメインを取得しようとしたら失敗した話

先日、ふと読んでいる漫画の作者のサイトを見ようとしたらページに繋がらなくなっていた。

そのサイトはあまりウェブ漫画というものが普及していない時期から、当時はアマチュアの漫画家として高いクオリティの漫画を掲載しており、界隈でも有名だったので、Twitter で他の誰かも繋がらないことについてツイートしていないか検索したところ、他の人たちも同じ状況のようだ。(当の漫画家は Twitter をやっていない)

Whois でドメインの登録状況を確認してみたところ、どうやらドメインの更新が行われておらず、このまま放っておくと 30 日程度で他の誰かがドメインを取得できる状態になってしまう。

この手の失効ドメインが第三者の手に渡ると、大抵の場合は水素水のような怪しい商材のページになるか、ドメインパーキングという、キーワードを羅列しただけの見苦しい広告ページになってしまうので、できればファンとしてはその状況は避けたい。

まず、作者へドメインが更新できていないことをメールで伝えようかと思ったのだが、そのサイトを Wayback Machine で見る限りでは最近はほとんどページの更新が行われておらず、メールアドレスも現在も有効なものかわからない。

また、Whois の情報から利用しているレジストラがわかっていたので、レジストラのサイトにアクセスしてみたところ、サービスの機能が壊れていて、ユーザー登録さえもできない状態になっていた。

名前を聞いたことがないレジストラでアクセスする前にも不安だったのだが、どうやら現在はまともに運用されていない潰れかけのマイナーサービスだったらしい。

これでは、作者への連絡ができたところで、ドメインの更新処理を行うことはほぼ不可能であり、そもそも作者自身も失効を知りつつも更新できない状態なのかもしれない。

となると、打てる手はもうほとんど残っていない。

このドメインを水素水のサイトにしないためにできることは、僕がドメインを取得することである。

ドメインを取得した後は、出版社経由なりで作者に連絡を取り、意図せぬ失効であったとしたらそのまま譲渡し、意図して管理を終了したのであれば、僕が作者の連載漫画へのリンク集のような形で数年間運用すれば良いだろう。

そういった考えで GoDaddy のドメインバックオーダーで、そのドメインのバックオーダーをかけ、再取得が可能になったときに自動でドメインを購入するようにした。

が、再取得が可能になったあとに受け取ったのは、ドメイン取得に失敗した旨を告げるメールだった。

実はこの件の前にも、別の失効ドメインを水素水のサイトにしないために GoDaddy のドメインバックオーダーを利用したことがあるのだが、そのときも取得に失敗していた。

インターネット上では僕以外にも「GoDaddy のバックオーダーでドメインが取れたことがない」ということを言っている人がおり、どうやら取得できる方がマレのようだ。

ドメインを取得できなかったからには、もうできることはないので、この件については完全に諦めたのだが、後からドメイン失効とバックオーダー(と共に提供されるオークション)の仕組みを調べたところ、いくつか知らなかった情報を得ることができた。

ここからは実体験ではなく、憶測が含まれている内容になります

ドメインが失効した場合には、そのドメインが再び売りに出されるという流れは知っていた。

僕は、てっきり失効ドメインはレジストリによって全世界のレジストラに開放され、各レジストラがバックオーダーに基づいて、レジストリに対して最速取得を試み、そのうちドメインが取得できたレジストラがバックオーダーをかけていた購入者に卸しているのかと思っていたのだが、どうやら違うらしい。

GoDaddy によるバックオーダーの説明ページ によると、失効するドメインがもともとどのレジストラで登録されていたかによってフローが異なる。

注目すべきは「別のレジストラで期限切れになるドメイン」のセクションに記載されている「GoDaddyは、レジストリが利用可能日にドメインを解放した後、ドメインのキャプチャを試みます。」のステップが「GoDaddyで期限切れになるドメイン」のセクションに存在しないことだ。

つまりは、もともと GoDaddy で取得されたドメインが失効する場合は、他レジストラが参入することなく GoDaddy の中で再取得が行われるように見える。(ここは本当に自信がないので間違いがあればコメントで教えてください

そうであれば GoDaddy で取得・失効したドメインは GoDaddy でバックオーダー(オークション)するのが最速で、そこで参加者が誰もいなければ、その次に他レジストラの先着順バックオーダー(オークション)となる。(GoDaddy 以外のバックオーダーを行っているレジストラも同じ仕組みであれば、この優先度も同じと思われる)

ちなみに、他レジストラの先着順バックオーダーは DropCatch.com が相当に強いと言われているらしい。(件の漫画家のサイトのドメインも DropCatch.com で取得された後に、中途半端に WordPress がセットアップされた謎のページになっている)

以上をふまえると、失効しそうなドメインを取得したいと思った場合は、まず今のレジストラを確認し、そのレジストラがバックオーダーやオークションを提供している場合はそれに参加する。

それ以外の場合は、DropCatch.com のようなバックオーダー力の強いサービスを利用する、というのが最適解と思われる。

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